病棟の医師から入院の結果を知らせる手紙が外来主治医に来る。入院中の医学的な経過なら電子カルテ上で退院時要約をみればわかる。それとは別に外来主治医宛に手紙が来る。死亡退院をされた場合は、手紙をみて初めて亡くなったことを知ることが少なくない。
先日も、外来で診ていた患者さんが死亡退院されたとの手紙を受け取った。80歳代の女性で、慢性の心不全と気管支喘息を持っておられ、しばしば病状が悪化し入院していた。私の「気になる患者さん」の一人だった。予約日に来られないと心配で、看護師さんに家まで様子を見に走ってもらっていた。
入院当初は人工呼吸をするほど状態が悪かった。いったんは回復されたが、何度も感染症をくりかえされ、もう回復の見込みがない終末期になった。このかたは身寄りがなく認知機能の低下もあった。スタッフが集まってこの人にとって医学的にも倫理的にも最善のケアとはなにかを議論して方針を決めてくれたそうだ。亡くなる直前まで口から食事を食べていたとのことだ。親身になってよく診てくれた。
患者さんについての手紙をもらうとうれしい。それを読むと入院中の苦労や真面目な取り組みをうかがうことができる。病棟の医師たちはなかなか頑張っているなと頼もしく思う。
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