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2011年12月10日土曜日

維新教育基本条例案堺市議会委員会で否決 教育委員会も明確に反対

12月9日づけの朝日新聞によると
「堺市議会文教委員会は8日、大阪維新の会の堺市議団が提出した教育基本条例案について、維新を除く全会派の反対で否決した。15日の本会議にも上程されるが、否決となる見通し。」

「堺市教委の海部孝治委員長は文教委員会の質疑で、条例案について『教育行政の政治的中立を否定するもので、子どもの教育に望ましい影響を及ぼすとは考えられない』と述べた。」とのことである。教育基本条例反対運動の成果である。維新の会がすすめる「教育改革」は思想信条の違いを越えて、多くの人反対している。堺市教育委員会も下の資料のような見解を表明している。大阪府議会での審議採決へむけ反対運動を強めたい。

選挙当日一日だけの主権者ではなく、365日主権者であることを府民に訴えます。教育基本条例案反対しましょう。

.資料
平成23年 12 月 8日
堺市教育基本条例案について
堺市教育委員会
1 教育の本質と政治的中立
教育は、次代を担う子どもたちの人格の完成をめざすものであり、この目的を達するためには、子ども一人ひとりの個性、創造性、自発性が尊重され、人として持っている潜在的な能力が十全に発揮できるよう、環境を整え、施策を実現していくことが重要である。これらの教育の理念は、社会がいかに変化しようとも変わらない教育の本質的・普遍的原理である。教育の政治的中立とは、特定の政治教育を行ってはならないという意味に狭小化してとらえるべきではなく、政治的見解によって、教育環境、教育施策が変遷することにより、教育の本質的・普遍的原理が歪められることのない制度設計を確立することを意味する。
この教育の政治的中立を確保するために、多様な属性を持つ複数の教育委員による合議制である教育委員会制度が設けられているのであり、条例案は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に反するとともに、政治介入を厳に戒める教育基本法の趣旨にも反するものである。
2 教育に対する首長の関与
首長は議会の同意を得て教育委員を任命し、教育に関する予算についても、その調製権限を有する。また、社会のあらゆる環境が子どもの健全な成長に関わるという観点から、教育行政においても、首長や首長部局による一般行政との調和を困ることも必要となる。
しかし、首長が目標を定め、その目標に基づき教育委員会が指針を作成し。学校がその指針を基に学校目標を定めるといったシステムは、教育の内容や方法についても首長がその権限を有することとなり、教育行政の政治的中立を担保している教育委員会制度そのものを否定するものである。
3  教育行設と民意の反映
教育は、子どもの発達・成長を軸に継続性・一貫性をもって行うことが重要であり、教育行政についても安定性・連続性が求められる。
教育行政における民意の反映については、そもそも、首長が議会の同意を得て教育委員を任命すること、地方自治法により予算を調整することは首長の権限とされ、また、その予算の成立には識会の同意を要すること、学校教育法施行規則により学校運営に関し意見含述べることができる学校評議員の設置が規定されていること等、これを担保する制度が存在する。
教育要員会は、これらの規定の趣旨、諸法規の理念を踏まえ、子どもの育ちとそれを支える保護者や地域住民の多様な意見に立脚しつつ、教育行政を遂行するものである。本市の場合で言えば、「未来をつくる堺教育プラン」を、民意を反映させつつ継続的かつ確実に推進していくことが、教育委員会の責務と考える。すべての学校園においては、学校協議員を設置し、保護者や地域住民の意向を把握するとともに、学校園のホームページ等を活用し、情報の発信にも努めている。また、教育委員会においても、PTAとの懇談会や日々寄せられる市民からの声等を通して、民意を教育行敢に反映するとともに、教育の基本的な方針の策定にあたっては、全市立学校園の保護者、児童生徒を対象とした調査の実施、保護者の代表等からなる懇話会からの意見聴取及びパブリックコメント制度の実施など、幅広く意見集約を行い、民意の反映に努めているところである。
4 結論
本条例案は、教育行政における政治的中立性を否定するものであり、教育関連法規に抵触するおそれのある内容が多く含まれており、将来にわたり、本市の子どもたちの教育に望ましい影響を及ぼすものとは考えられず、教育委員会として是認できるものではない。

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