今、5月5日午後11時に泊原発の発電が停止する。これで日本全国が原発なしの電力供給体制になる。全原発停止を実現したのは、「福島をくりかえさない」という日本国民の明確な意思である。
昨年の福島原発事故以来、日本国民は多くのことを学んだ。
ひとたび原発事故が起きると取り返しのつかない被害を個人にも、地域社会にも、自然にも与えることを知った。これまで電力会社や政府が安全な理想のエネルギーだとしてきた原子力が、実際は大変危険なエネルギーであることを理解した。
原子力村があることも国民周知のものとなった。電力会社・官僚・学者・マスコミが一体となって原子力利権に金で結びつき原子力を推進してきたこと知った。
また事故後の電力会社や政府の対応が国民のいのちを守ることに全力を注いだものではなかったことに気づいている。情報を隠蔽し、被害を少なく見せることに躍起になり。マスコミを通じて虚偽の言説を垂れ流したことを忘れてはいない。
そんな電力会社と政府がいくら原発の安全性が証明された、原発が稼働しないと電力不足になると言っても、国民は信用しない。
当面の焦点である大飯原発の再稼働も決まっていない。政府は4月中に再稼働を決める計画であったができていない。簡単に同意するとみられていた大飯町も福井県も同意していない。
「福島をくりかえさない」というのが国民の明確な意思である。これは第二次世界大戦を経験し「二度と戦争をしない」と決意したことに匹敵する意思である。日本国民は憲法九条を65年間守り抜いてきた。これからは「福島をくりかえさない」とあわせて守っていく。
「福島をくりかえさない」と「二度と戦争をしない」は日本国民が誇るべき二つの決意だ。どちらもそれをくつがえそうとする動きが続くだろうが簡単に成果を上げることはできないだろう。日本は市民革命を経験していないので民主主義が未成熟だと言われている。この二つの決意をつらぬくことが民主主義の熟成した日本をつくることにつながっていく。
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