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2012年5月20日日曜日

夏の電力「不足」を、原発再稼働なしに乗り切ることは可能である


大阪市長の橋下徹氏は大飯原発の夏だけの再稼働に言及したと報道されている。:日本経済新聞 http://s.nikkei.com/KnFOww
 なぜ再稼働を容認するのか。電力不足が理由である。政府の提起した10年比15%度の節電は想定の範囲内である。これで再稼働反対の意見を変える理由にはならない。

関電の電力供給能力はどれだけあるの
関電発表によると5月20日最大供給力は2,178万kWである。
それに加えて
【停止中の主な発電機】(5月20日)が8基ある
奥多々良木発電所1号機 ▲27万kW(作業)奥吉野発電所 5号機 ▲19万kW(作業)相生発電所 1号機 ▲38万kW(作業)相生発電所 2号機 ▲38万kW相生発電所 3号機 ▲38万kW南港発電所 1号機 ▲60万kW(作業)堺港発電所 1号機 ▲37万kW(作業)海南発電所 3号機 ▲60万kW(作業)
計▲317万kW
他社電源 ▲224万kW
【出力抑制中の主な発電機】が3基ある。 
姫路第二発電所 5号機 ▲30万kW(作業)姫路第二発電所 6号機 ▲12万kW(作業)姫路第一発電所 5号機 ▲45万kW(作業)
小計87万kW
【揚水能力不足に伴う出力減少分】なし

関電の原発以外の未稼働発電能力は計628kWある。

即ち現在の関電の最大供給能力は2178+628=2806kW

11年夏のピーク使用量は2,784万kW
10年夏のピーク使用量は3,095万kW である。

最大限供給能力が発揮されれば昨年のピーク使用量はクリアできる。

もちろん猛暑の可能性もある、発電所のトラブルも予想される。節電することは必要だ。政府の提起は10年比15%節電である。すでに昨年10%節電を達成しているので、あと5%である。昨年関西は関東ほど節電に努力していない。あと5%程度の節電は十分に可能である。
政治家の責任は弱者を守りながら節電の先頭に立つことである。

2012年5月9日水曜日

弱者を犠牲にする計画停電は絶対にしてはならない


全原発停止に伴い電力不足宣伝が盛んになされている。政府筋から計画停出を行うとの発言がでている。これが実施されれば一定の時間(当然電力需要ピーク時の午後)、一定の地域で送電が一律に止められる。私は医師の立場から計画停電の実施に強く反対する。

電気が止まれば電気で稼働する医療機器は使用できなくなる。病院には非常用の自家発電機が準備されているが長時間の稼働は想定していない。自宅で医療機器を使いながら療養されている方は多い。自家発電機の準備はない。人工呼吸器はバッテリーがついているが稼働は数時間だ。酸素濃縮器にはバッテリーはない。酸素ボンベの準備が必要になる。電動ベッド・吸引器・褥瘡予防マットは動かない。輸液ポンプにはバッテリーがあるが。数時間の稼働だ。電動ベッドも動かない。

さらに影響が大きいのはエアコンが停止することだ。毎年熱中症予防のために、水分の補給と適切なクーラーの使用を啓蒙してきた。それでも室内で熱中症が発生している。エアコンが使えなければ、熱中症が多発する。死者が出る可能性がある。適切なエアコンの使用を妨げてはならない。

また昨年春、関東で実施された計画停電は本当に必要だったのか。計画停電の実施は、市民生活に、病人の療養にどんな影響を与えたのか。検証が必要だ。

今出ている、昼間の電気料金を上げてピーク時の節電をしようというのも間違っている。電気代の負担能力のない経済弱者に節電を強いることになる。そんなことを思いつき、電力利用を我慢する弱者の姿が想像できないメンタリティーが悲しい。

節電必要性はよく理解している。どんな方法でするのかが問題だ。大いに議論したい。しかし病人・弱者を犠牲にせず守り抜くことが、議論の大前提だ。計画停電は論外である。節電について大いに議論し、準備しよう。真夏はあと2か月でくる。

2012年5月6日日曜日

安易な計画停電なしに今年の夏を乗り越えるために力を合わせよう


5月6日原発稼働ゼロが実現した。2011年東日本大震災・福島原発事故、2012年原発ゼロが日本の歴史に刻まれ、後世に伝えられていく。報道されているように当面の焦点である大飯原発の再稼働は住民合意の見込みがなく今年の夏までに実現することは困難になっている。原発稼働ゼロで今年の夏を迎えることは確実である。この夏の電力「不足」にいかに対処するかが緊急重要な問題となっている。

電力「不足」についてもいろんな見解がある。関電は10数%の不足を予想している。その一方で電力は足りているとの意見もある。結果は3か月もすればはっきりする。しかしいま大切なことは、どちらの予測が正しいか議論することではなく今年の夏を停電なしに、人々の生活の大きな「被害」なしに乗り越えることである。

原発がすべて停止したのである。2011年以前の電気の使い方が続けられると誰も考えていない。電気を大切に使う努力を続けなければならない。しかし安易に「計画停電」を口にする動きがある。それには反対だ。停電は人々の生活を脅かす。「計画停電」の根拠とそれによるメリットとデメリットの開示なしに停電を安易に口にしてはいけない。

私のまわりには電気に頼って命をつないでいる人たちがいる。呼吸機能が悪く酸素濃縮器を使っている方や、人工呼吸器を使っている方だ。予備のバッテリーはあるが、停電はそのような方の生命をリスクにさらすことになる。またエアコンが使えなければ高温環境に弱い高齢者が熱中症になる可能性がある。これらの人たちを守りながら今年の夏を乗り越えたい。

原発再稼働・存続を考える人たちの頭には「この夏国民に被害があった方が自分たちの意見がとおりやすくなる」との考えがかすめるかもしれないが、それは払拭してほしい。我々が喧々諤々議論してきたのも、「日本に住む人々の幸せのために原発をどうしたらいいのか」が前提になっているはずである。だから当面原発存廃の議論は横におきたい。この夏を国民生活に大きな「被害」なしに乗り越えるために知恵と力をだしたい。

力を合わせるには、1、目的の明確化 2、情報開示 3、開かれた議論 4、説明責任の伴った決定 5、毅然たる指揮が必要である。民主党政権は昨年の震災・原発事故の時に危機管理ができなかったと批判されている。生活に大きな「被害」を出さずにこの夏を乗り越えるために、政権が先頭に立てれば、名誉を挽回することができるかもしれない。頑張ってほしい。

2012年5月4日金曜日

「福島をくりかえさない」と「二度と戦争をしない」は日本国民が誇るべき二つの決意


今、5月5日午後11時に泊原発の発電が停止する。これで日本全国が原発なしの電力供給体制になる。全原発停止を実現したのは、「福島をくりかえさない」という日本国民の明確な意思である。

昨年の福島原発事故以来、日本国民は多くのことを学んだ。

ひとたび原発事故が起きると取り返しのつかない被害を個人にも、地域社会にも、自然にも与えることを知った。これまで電力会社や政府が安全な理想のエネルギーだとしてきた原子力が、実際は大変危険なエネルギーであることを理解した。

原子力村があることも国民周知のものとなった。電力会社・官僚・学者・マスコミが一体となって原子力利権に金で結びつき原子力を推進してきたこと知った。

また事故後の電力会社や政府の対応が国民のいのちを守ることに全力を注いだものではなかったことに気づいている。情報を隠蔽し、被害を少なく見せることに躍起になり。マスコミを通じて虚偽の言説を垂れ流したことを忘れてはいない。

そんな電力会社と政府がいくら原発の安全性が証明された、原発が稼働しないと電力不足になると言っても、国民は信用しない。

当面の焦点である大飯原発の再稼働も決まっていない。政府は4月中に再稼働を決める計画であったができていない。簡単に同意するとみられていた大飯町も福井県も同意していない。

「福島をくりかえさない」というのが国民の明確な意思である。これは第二次世界大戦を経験し「二度と戦争をしない」と決意したことに匹敵する意思である。日本国民は憲法九条を65年間守り抜いてきた。これからは「福島をくりかえさない」とあわせて守っていく。

「福島をくりかえさない」と「二度と戦争をしない」は日本国民が誇るべき二つの決意だ。どちらもそれをくつがえそうとする動きが続くだろうが簡単に成果を上げることはできないだろう。日本は市民革命を経験していないので民主主義が未成熟だと言われている。この二つの決意をつらぬくことが民主主義の熟成した日本をつくることにつながっていく。

2012年4月30日月曜日

佐藤優氏が橋下徹氏にファシズムの危険がないと断じたのは早計である


作家佐藤優氏が橋下徹氏は「新自由主義の拡大であり『ファッショ化』の危険はない」と断定した。(SAPIO 2012年5月9日・16日合併号)
本当にファシズムの危険はないのか。

氏はファシズムを
1、束ねられる同胞、とくに社会的弱者には優しい。逆に、束ねられる対象から外れた人々には冷淡だ。
2、常に「戦闘の精神」を強調するので、排外主義的な外交政策を取りやすい。
と特徴づけた。
そして、氏は「現時点までの橋下氏の政治的手法を見る限り、社会的弱者に対する優しさ、排外主義の両要素が欠如している。」(SAPIO)としてファシズムの危険性はないと結論づけた。


ファシズムの定義が確定していないが、以下の定義が最大公約数だろう。
 1、国家独占資本主義の一形態
 2、民主主義の否定 独裁と暴力
 3、排外主義 戦争 他民族の抑圧
 4、扇動と洗脳による大衆の動員

佐藤氏が言うように橋下氏の経済政策は「1980年以来の市場原理主義(新自由主義)政策の拡大に過ぎない。」私も同じ意見だ。しかし、小さな政府を目指している橋下氏がベイエリア開発や高速道路建設、リニアも含めた鉄道の新設など私企業の活躍のために従来型大型公共投資を進めていることも事実である。国政に出てもその路線は変わらない。

民主主義の否定は、橋下氏が自ら「日本の政治で重要なのは独裁」と発言していることからも明らかである。橋下氏は普通選挙については否定していないが、いったん選挙で選ばれれば当選者が民意を代表するとして選挙時の反対票や、議会での少数反対派を無視している。さすがに現在のところ暴力を行使してはいないが維新の会所属の議員の中には自民党時代から右翼グループに属するものがいる。佐藤氏も昨年の大阪同時選挙について「民主主義を否定する『独裁』なる手法が提示された、日本の今後を大きく左右する選挙です。」(2011年10月13日 朝日夕刊)と述べていた。この氏の見解は変更されたのか。

この間の教育における君が代強制問題は現在のところ、法で定められた国歌を歌うべしという職務命令に従うかどうかが問題にされている。右派勢力が勢いづいて後押ししている。教育を政治が支配する発想は、佐藤氏が言うように「国家にとって『いざというとき国のために死んでくれる国民』『きちんと働いて税金を納める国民』を育てることが教育の究極の目的」(2012年02月01日 朝日朝刊)になってくる可能性がある。東アジアでの中国・韓国の存在が単純に排外主義を許す状況にはない。しかし小泉元首相が新自由主義と排外主義という異質なもの併せ持ったように、右派の後押しで排外主義を顕在化させる可能性はある。君が代強制に踏み込んだことがその端緒である。佐藤氏は君が代強制問題をどう見ているのか。

大衆動員は橋下氏の独壇場である。佐藤氏は「民意を正確かつ瞬時につかむことのできる橋下」(SAPIO)と評価している。小泉に切り捨てられたワーキングプア層が派遣村に結集する社会的事件があった。それが新自由主義批判、民主党政権誕生へつながった。小泉氏とは出身階層のまったく異なる橋下氏が、既得権益享受者攻撃をして再びワーキングプア層を含めた社会的弱者の支持を獲得している。確かに橋下氏には「社会的弱者に対する優しさはない」(SAPIO)のであるが、彼らの不満の代弁者として偽りの支持を受けている。昨年10月時点では佐藤氏も、橋下氏は「小泉純一郎元首相にはなかった社会的弱者への共感も持ち合わせる。」(2011年10月13日 朝日夕刊)それはムソリーニらにも共通すると述べていた。佐藤氏はこの評価を修正している。説明してもらいたい。橋下氏は大衆にやさしくはないが、大衆の味方だと思わせる幻術をもっている。

佐藤氏が橋下氏にファシズムの危険がないと断ずるのは早計である。橋下氏の台頭で、一旦弱まった、新自由主義の流れも、九条改憲の流れも強まっている。ポピュリズムに支配された直接選挙による大統領制の可能性も出てきている。閉塞感の充満する現状への不満も高まっている。ファシズムの危険は十分にあると言わなければならない。    

弾道ミサイル・核開発に対する二重基準を克服し、核廃絶を実現しよう


今月、北朝鮮・インド・パキスタンと弾道ミサイル実験が続き不安が高まっている。また北朝鮮、そしてイランが核実験を準備している。核戦争の危機を回避するために、核保有国がとる二重基準(=自分たちの核保有・弾道ミサイルの保有は認めるが他国の保有は認めない)を克服し核廃絶に向かう必要がある。

4月13日北朝鮮は「ロケット」発射実験をおこなった。これは北朝鮮のロケット・弾道ミサイル開発禁止を決議した国連安全保障理事会決議1874号(09年12月)違反であり。東アジアの緊張を高めるものだ。各国各方面の批判が集中するのは当然である。

また4月19日インド、25日パキスタンが弾道ミサイル実験を行った。これに対してはアメリカ、日本をはじめどの国の政府も批判していない。両国は134各国が批准している「弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範」を批准していない。両国の弾道ミサイル実験はどの国際法・決議に違反するわけではない。しかし国際緊張をたかめたことは事実である。さらに両国は核拡散防止条約(NPT)にも加盟しておらず、NPTに反してイスラエルとともに核兵器を保有している。米英露仏中の核兵器国はこれを容認している。

北朝鮮の朝鮮中央通信はアメリカがインド・パキスタンに弾道ミサイル実験を容認したことを二重基準として批判した。北朝鮮が他国のミサイル実験を持ち出して、自国の行為を正当化するのは間違っている。どの国がおこなうのであれ弾道ミサイル実験さらに核開発は核戦争の危機を増大させる。非難されるべきものだ。

二重基準は破綻している。米英露仏中の核兵器国だけに核保有を認め他国には認めないというNPT体制は、インド・パキスタン・イスラエルの三国の核保有を認めた時点で破綻している。三国に続き北朝鮮・イランが核開発を進めていることにも有効な手が打てていない。このままでは核拡散はさらにすすむ。

今するべきことは破綻した二重基準を克服し、核廃絶に進むことである。北朝鮮の動向に不安を持ち、広島・長崎・福島を経験した日本こそその実現の先頭に立つべきである。日本政府はその立場を明確にして北朝鮮との交渉にあたるべきだ。

2012年4月27日金曜日

橋下氏はなぜ脱原発の主張をするのか 4月26日朝日新聞「橋下氏の『脱原発』、関電や民主党への反発」を読んで


橋下徹大阪市長がなぜ従来の「脱原発依存」の主張を変え、脱原発の主張をしているのか。     
非常に興味がある。元々饒舌な橋下氏であるがこの点についてはいまだに語っていない。4月26日の朝日新聞朝刊は桜井林太郎記者の署名入りで「橋下氏の『脱原発』、関電や民主党への反発」の表題で記事を載せている。

記事はまず「もちろん、根っからの脱原発ではなく、当初は再稼働反対までは考えていなかった。」と、彼は脱原発でも再稼働反対でもなかったと指摘している。これは昨年3月以来の彼のブログを読んでも明らかだ。原発は当面必要で他のエネルギーの開発をすすめ原発への依存度を下げると主張していた。

それが現在のような再稼働反対・脱原発の主張をするようになったのは以下の理由だとしている。
1、電力問題は国政の問題で、一知事が口を出すなと関電が言ったことに反発した。
2、電力会社は既得権益の固まりだから嫌い。
3、脱原発は、橋下氏が掲げる地域主権の考えにも合う。
4、野田政権が原子力規制の「最高権威」ともいえる原子力安全委員会に安全性の意見を求める手続きをしなかった。
5、本当の狙いは(選挙に向けた)ポピュリズム的要素もある。

原発問題の本質とは無関係な理由ばかりだ。1、感情の問題。かつ地域主権の問題。2は新自由主義の考え方。3は地域主権。4は手続き問題。5は彼が脱原発を求める国民の意思の強さを読んだということ、言い換えれば国民が彼に脱原発を言わせたということだ。


彼はどんな手続きで国が決めるのか地方が決めるのかということを重視している。彼は以前、エネルギー問題は国政レベルの問題と言っていた。だから「手続きを踏めば、「『合格点じゃないけれども、ここまでの安全は確保している。あとは関西にこれだけの電気が足りないから、政治的決断をした』というならね、僕はそういった政治のあり方は是としますよ」(朝日)などと言えるのであろう。橋下氏には脱原発の確信などないから彼なりの詭弁でいつ方針転換するかもしれない。


記事はこう結んでいる。「今後もブレないで、訴え続けられるか。『豹変(ひょうへん)』すれば、今度は多くの人が橋下氏に失望すると思う。」

橋下氏がどう主張しようとも、どう豹変しようとも、日本の脱原発を実現したいと考えている。日本が脱原発を実現することは世界史的意義のあることだ。だから脱原発の運動を盛り上げ、ポピュリスト橋下徹氏が「豹変」できない状況をつくりたい。彼が脱原発の主張を継続し、支持が伸びることになるとしても脱原発は実現したい。

しかし橋下氏の原発についての主張がどんなものであれ、彼の新自由主義的政策に反対する。私は橋下徹氏が支持を伸ばすことは望まないし絶対に阻止したいと考える。