橋下氏は、辞職を同意した本会議で「大阪の統治機構のあり方、大阪府・市のあり方をなんとかしなければという思いが日に日に強まっている。今や押さえることができない」と表明。(朝日新聞)「明治維新、倒幕になぞらえ『沈みゆく日本に黙って乗っとくわけにはいかない。沈む前に、地方から(改革を)やらなきゃ。その地方は、この大阪しかありません』と訴えた。」(日刊スポーツ)大阪のため、日本のために居ても立っても居られないと言うのである。本当にそれが彼の本心なのか。それとも方便なのか。彼の経歴を見ると本心とはにわかに信じがたい。
橋下氏は大学を卒業した1994年に司法試験に合格。1997年に大阪弁護士会に弁護士登録。弁護士2年目の1998年、大阪市内に「橋下綜合法律事務所」を設立し、示談交渉による解決を専門にする。消費者金融大手の「アイフル」の子会社の商工ローン「シティズ」の顧問弁護士を8年間した。サラ金の事業を支える弁護士だったのである。その示談交渉で磨いたノウハウを本にしている。「最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術」(日本文芸社)「心理戦で絶対負けない交渉術」(日本文芸社)には、どんな相手でも丸め込む48の極意、思い通りに相手を操る非常の実戦テクニックが書かれている。そしてその交渉の話術をいかしてテレビのバラエティー番組でタレントとして人気を得た。
サラ金側の示談交渉を専門にしていた弁護士がなぜ世のために働きたいと言うのか。彼はサラ金のもうけを増やすことにより、自分の収入を得てきた。サラ金御用弁護士だ。サラ金御用弁護士は一般市民の味方をしてきたとは考えられない。橋下氏に聞きたい。サラ金御用弁護士の彼と政治家の彼がどんな関係にあるのか。彼にとっては連続性があるのか、それとも過去を否定して今の政治家としての彼があるのか。
きっと橋下氏は過去の自分を否定するとは言わないだろう。そうなら能弁な彼であるこれまでに自ら表明しているはずだ。世間がどう思おうとサラ金御用弁護士をしてでも金を稼ぐことが彼の自己実現であったのだろう。しかしそれだけでは彼の心は満たされなかった。そして今は政治の世界で権力を握ることが彼の自己実現の道になっているのだろう。
心理学者の小倉千加子は橋下氏を評して「振幅が大きく、傷ついた野獣を心に抱えているようだ」(朝日新聞)と書いている。私もそんな気がする。何をしても満たされない自尊心と肥大化した自己愛が彼を衝き動かしているのだろう。「傷ついた野獣の心」は大阪市長になっても癒されないだろう。次は何を目指すのだろう。内閣総理大臣か。何か破たんの結末が見えるような気がする。細川・小泉・麻生元首相などの「上流階級」出身者は政治の世界で破たんしても何食わぬ顔で政治は卒業しましたと涼しい顔で生きていく。しかし橋下氏のような庶民の「成り上がり」が権力闘争で敗北するとそうはいかない。袋叩きの目に合うことになる。松田勇作の演ずる昔の映画の主人公と重なって見える。
彼の内面がどうであれ、サラ金御用弁護士時代はローン返済困難者を多く泣かしたであろう。そして大阪府知事・市長を歴任し、新自由主義的手法で大阪府市民を泣かせることは看過できない。早く政治の世界からは足を洗ってほしい。いや洗わせたい。
「あらゆる星が北極星を中心として動いているように、世界は私を中心として動いている。私は秩序そのものであり、法律そのものである」(「ジュリアス・シーザー」シェークスピア)
堺市で診療なさっておられるのですね。私どもは堺で教育基本条例案撤回を求める市民運動を続けております。先生のお知恵とお力をお貸しいただけると嬉しいです。
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橋下があって、丸山穂高。
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