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2012年7月12日木曜日

フランス南部ドローム地方にあるトリカスタン原発を見てきました


フランスのアビニオンから北へ車で30分ぐらいのところにトリカスタン原発はあった。一般道のすぐ横に金網越しに原発が無造作に建っていた。原発の正面玄関に回っても、警備員姿は見られない。もちろん監視カメラで警戒しているのだろうが、緊張など少しも感じさせない光景だった。脱原発派の姿も、貼り紙も見当たらなかった。普通の郊外の工場という雰囲気だ。原発のすぐそばに風力発電の風車が林立していた。だれが何のために作ったのかは私にはわからない。

トリカスタン原発には70年代に建設された加圧水型原発が4基ある。昨年7月原発施設内の変電設備で爆発が起こったことを覚えている。また087月にウラン水漏洩事故が起き、労働者100人が被曝した。



昨年7月共同通信が「仏で脱原発派が77% 原発大国で異例の結果」報道した。この報道を知って原発依存75%のフランスでも変化が起きていると歓迎した。

「【パリ共同】5日付フランス+週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュが公表した世論調査によると、同国の回答者の計77%が、原発+を即時もしくは段階的に廃止すべきだと考えていることが明らかになった。」「原発を即時停止すべきだとした回答は15%。25~30年かけて段階的に廃止すべきだとの回答は62%に上った。原発継続派は22%にとどまった。」(2011/06/06   【共同通信】)

5日間フランスに滞在した。今回はフランスの脱原発の運動を知りたかったが、出会わなかった。ビラやポスターを見たかったが、見られなかった。

在仏の日本人の話では「原発の危険性はみんな意識しているが、これだけ原発に依存してしまっているので、すぐになくすのは無理と考えている」とのことだ。6月の大統領選挙で社会党のオランドが当選したが、「原発依存を75%から50%に下げる」が選挙公約だ。脱原発を強く主張したフランス緑の党のジョリは2.31%しか得票できなかった。

原子力支持派の比率が最も高いのは英仏で両国共に32%に達した。スペイン、イタリア、ドイツでの支持率は各々27%、20%、17%だった。(ルモンド 116月調査)日本30%(朝日124月調査)

原発反対派は英国で21%、フランスで20%だった。伊独では原子力利用への明確な反対派が過半数を占めた。(ルモンド 116月調査)日本49%(朝日124月調査)

原発に世界一依存しているフランスが脱原発に進むのは容易ではないようだ。しかし日本と同様、フランスの原発の大半は70年代初頭から80年代初頭に建設されており30年前後経過している、フランス政府はこの老朽原発の使用期限を延ばし延命を謀るしかない。しかしそれもたかが知れている。フランスでも新規の原発建設は困難であろう。そうならば依存度がいかに高くても早く期限を決めて脱原発に舵を切ることが必要だ。

世界的脱原発のために市民レベルの交流を活発にしていきたい。

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