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2012年11月18日日曜日

選挙に参加して議会を国民世論が反映するものに変えよう 選挙戦にあたりマスコミは国民世論にそった論戦を組織してほしい


国会が解散した。毎日の報道を見ていると自民と民主と維新の争いが最大のトピックになっている。しかし政策的には三党はほとんど差がない。消費税増税、原発存続、社会保障給付切り下げ、オスプレイ黙認で一致している。しかし国民世論はそれと別のところにある。

世論調査は国民の意見を示している。消費税増税反対56%(共同通信8月調査)、原発ゼロ42%(共同通信8月調査)、社会保障の将来に不安92%(毎日新聞3月調査)、オスプレイ配備不支持58%(時事通信8月)である。

憲法第41条は、「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と規定している。しかしこのままでは選挙がどんな結果になろうと国民世論とかい離した政府、国会になる可能性がある。議会の構成が国民世論を反映したものでなければ民主主義は形骸化する。

3党は改憲でも一致している。選挙がどのような結果になろうとも、選挙後に改憲が中心課題になる可能性が濃厚である。そのことにふれずに選挙は進んでいる。

少数意見を切り捨てる傾向の強い小選挙区制という選挙制度の限界がある。だからこそ国民が適切な投票行動をとれるように国民世論に沿った論点整理と各党の政見が適切に国民に提供されなければならない。そのためにはマスコミの役割が重要である。マスコミは主要三党が国民世論とは無関係に恣意的に展開するやり取りに焦点を絞って報道するのではなく、国民の関心のある消費税・原発・社会保障・オスプレイ・安全保障・憲法で三党を含めたすべての政党を対象にした議論を組織しどの政党が国民世論の立場に立っているのかをあきらかにしなければならない。

憲法第12条は「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と述べている。国民世論とかい離した政府・国会を嘆き選挙を傍観していてはならない。選挙に積極的に参加して大いに議論し、議会を国民世論が反映するものに変えていこう。

2012年11月7日水曜日

韓国に反日の風は吹いていない

独島体験館展示
独島体験館




韓国に行ってきた。ソウルで「独島体験館」(http://map.konest.com/dforum/10069)を見学した。古代からの歴史的事実が展示されていた。韓国人親子の見学者が多かった。日本人が見学しても、余計な緊張を感じることはなかった。説明が基本的に韓国語で日本語の説明はなかった。独島は韓国のものだと強く主張するものだった。

釜山東莱(トンネ)で独島刺身料理店の看板を見かけた。看板には独島はわれらの領土だと書き添えられている。さすがにその店には入らなかった。アルコールを飲む場所で独島問題を韓国人と議論する気にはならなかった。

その独島刺身の店の近くで、お目当てのパジョンの店が見つからなくて停まっていたパトカーの警官に道を尋ねた。すると警察は無線で店の位置を確認し、「タセヨ(乗ってください)」と言ってくれた。生まれて初めてパトカーに乗った。そして無事に目的のパジョンの店に行くことができた。親切な対応に感謝・感激した。
独島刺身の店

ソウルにはためく万国旗
韓国のお盆で町は祭日モードだった。デコレーションの万国旗には日本の旗もあった。

領土問題では日本と韓国の政府の間に大きな対立がある。両国民の多数意見もそれぞれに対立するものであろう。しかしそのことが両国民の友好を否定するものになっていけない。今秋の韓国旅行で市民のレベルでの友好や節度ある態度に接してうれしく思った。領土問題という難しい問題も相手の主張をよく聞きよく議論して平和的に解決したい。

2012年11月2日金曜日

藤本義一さんと中皮腫


藤本義一さんが亡くなりました。大阪にはなじみのある方でした。心からご冥福をお祈りします。死因が中皮腫と聞いて驚きました。どうしてあの藤本義一さんが中皮腫になったのかと不思議に思います。

肺、心臓、胃腸、肝臓などは膜に包まれています。その膜の表面に中皮という組織があります。この中皮の腫瘍を中皮腫といいます。胸膜および腹膜中皮腫は、そのほとんどがアスベスト(石綿)の吸引により発生すると考えられています。吸引から発症まで潜伏期間は30年から40年、最短で20年です。

新聞報道によると藤本さんは亡くなる一年半前に健康診断で胸水を指摘され、精密検査をうけ中皮腫と診断されました。藤本さんはどこでアスベストを吸引されたのでしょうか。奥さんの統紀子さんは「昔、撮影所とかでアスベストを吸い込んでいたのかもしれない」と話されています。

アスベストは耐熱性耐久性電気絶縁性が強く多くの産業で使用されてきました。石綿の吹き付け・石綿を含む建物の解体・石綿を含む製品の製造、加工、アスベストを使用した製管・建設作業、歯科技工などが代表的作業です。労働者だけでなくアスベストのついた作業服を扱った家族や、アスベスト関連の工場付近の住民もアスベストを吸引している可能性があるとされています。大阪の泉南・泉州地域にアスベスト工場が多くありました。その地域ではアスベストに暴露された方が多くいます。藤本さんは堺市出身です。

日本のアスベスト輸入量のピークは70年代半ばです。75年に吹き付けアスベストの使用が禁止されています。04年までには、石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止されました。潜伏期間が30年から40年であることを考えると日本の中皮腫の罹患および死亡は増加すると考えられます。またこれまでに建設材料でアスベストが使用されたものが多くあります。それの解体時にアスベストが飛散する危険があります。十分な対策が必要です。

19951月の阪神淡路大震災で多くの家屋が倒壊しました。その瓦礫処理作業でアスベストの飛散が多量にあり健康被害の発生が予想されています。2か月間だけで解体作業に従事した方が中皮腫を発症され11年に死亡され労災に認定されています。藤本義一さんも震災被災者です。

藤本さんの発病の原因はわかりませんが、検診で偶然見つかりました。本人も気づかない間にアスベストに暴露されたのでしょう。アスベストを過去にあつかった方はもちろんそれ以外の方も定期的に健診を受けられることをお勧めします。