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2012年1月20日金曜日

橋下徹大阪市長が「脱原発」を主張しているかのような誤解は払拭しよう


政府が原発再稼働を強行しようとしている。そんな時、関西電力の9%の株を所有する大阪市長の橋下徹氏が「脱原発」の立場をとっているとして彼の行動に期待する向きがある。しかし橋下氏は「脱原発」と主張したことは一度もなく、「原発依存を下げる」と主張する原発存続の立場をとっていることは明らかである。

大阪維新の会の大阪市長選挙マニフェストはこう書いている。

4. エネルギー供給体制を変える関電株主権行使
原発依存度を下げることを目標に、発送電分離などで新規事業参入を促し、真に強い電力供給体制を作り直します。電力会社などが独占している権限を見直し、現在の電力供給体制を、住民視点から再構築します。」
「7.エネルギー政策編
(1) 原発依存度を下げることを目指し、発送電分離の推進で新規参入を促し、競争によって電力の供給体制を確立し、市民生活の安定と産業の保護・さらには新産業の誘致・育成のための基盤づくりを目指して、関西電力株式会社の株主提案権を行使します。」

「脱原発」とはどこにも書いていない。「原発依存度を下げる」「発送電分離」と書いているだけだ。

市長就任の記者会見でも「脱原発依存を掲げているが、関西電力に何を求めるか」の質問に対し 「競争が僕の政治哲学の一つ。電力供給態勢に競争性を導入すべきだ。そのためには事業参入を自由に認め、競わせる態勢を作らないといけない。市の株主提案権を使い、関電とタッグを組んで今の電力供給態勢を変えたい。」と答えている。

彼が関心のあるのは「電力供給態勢」を変えることだけだ。

関電株主総会で橋下市長が「脱原発」の提案をするなんて夢想は持ってはいけない。逆に橋下氏は一般株主が提案する「脱原発」の提案には必ず反対する。橋下市長のブレーンである堺屋太一氏は原発存続を公然と主張している。

これで橋下市長が、市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」が、原発の是非を問う住民投票条例制定の直接請求に必要な署名を集めたと発表したことについて、「(投票の費用が)5億円ぐらいかかる。(原発の)是か非かだけで5億かけてやる価値は僕はないと思っている」と述べ、住民投票の実施に否定的な態度を示したことが理解できる。

どうして橋下市長が「脱原発」の立場をとっているかのイメージがつくられたのか。選挙当時、マスコミよって橋下氏が「脱原発」を主張しているかのような報道をしたことが誤解を誘導したのだろう。この間の事実を検証する必要がある。少なくとも今後は橋下氏が「脱原発」を主張しているかのような印象を与える報道は一切やめるべきである。

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