インドに来ている。孫に雛人形を届けに来た。初めてのインドだ。用意してもらったホテルは快適だ。サービスも良かった。
驚いたのはホテルに大勢の警備員がいたことだ。道路に面した門は一回ずつ閉鎖し相手を確認して中に入れていた。そしてホテルの玄関を入る時はカバンのチェックを受け、金属探知機をくぐらされた。警備員は武器も携帯していなし応対も丁寧であったがまるで空港みたいな警備体制だった。
息子のマンションに行くとそこでも厳重な警備体制がひかれていた。30棟の住宅が高い塀で囲まれ、入り口には警備員が数人常駐していた。住宅エリアにはプールもトレーニングセンターもマーケットもあり日常生活はエリア内で事足りるようだ。住人はインド人もいるが多くは外国から来た駐在員だそうだ。
日本では学校で不審者が殺人事件があって以来、学校に警備員を置くようになったが、将来はホテルにも住宅にもインドのように厳重な警備体制がひかれるようになるかもしれない。
息子は普通の会社員で日本にいる時は2DKの住宅に住んでいた。仕事でインド勤務になったが、広い住宅に住みメイドも運転手もいる生活をしている。運転手は12時間拘束で、リースの6人乗りのバンにガソリン代とセットで月9万円でついているのだそうだ。
メイドや運転手がいる生活をすることが必ずしも悪いわけではないが、その人達を雇うことができるほど彼らの賃金が安いということだ。
確かに警備員もメイドも運転手もインドの重要な雇用の一部に違いない。しかし、低賃金で外国人や国内の富裕者に使われる生活に甘んじるほど人間の自我は寛容ではない。建設的であれ、破壊的であれ現状に甘んじない心理過程が起こっているに違いない。
厳重な警備体制を引く必要があるほど不法な攻撃を受ける不安があるのは、社会にある不満や怒りという陰性のエネルギーを感知しているからであろう。そんな社会は望ましい社会ではない。
格差と貧困、弱肉強食、自己責任が大ぴらに語られる日本社会もそんな社会になりつつあると思う。世界の人々と交流しながら平和で豊かで公正な社会をつくるために努力したい。
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