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2012年3月26日月曜日

大飯原発に関する原子力安全員会の見解についてのマスコミ各社の報道は事実をゆがめている


323日原子力安全員会は「関西電力株式会社大飯発電所3号機及び4号機の安全性に関する総合的評価(一次評価)に関する原子力安全・保安院による確認結果について」(以下確認結果)を発表した。原発問題の焦点となっている大飯原発再稼働に関係した見解だ。


その発表についてマスコミ各社は次のように報道した。
安全委 大飯原発「評価」了承 再稼働政治判断へ (毎日新聞)
大飯原発 再稼働なおハードル 政府地元同意、来月中めざす (日経新聞)
大飯原発再稼働へ 耐性「妥当」 走る政権 険しい道 地元や橋下氏も意見 (朝日新聞)
大飯原発3、4号機の耐性検査を了承…安全委 (読売新聞)
日経を除き、「評価」了承、耐性「妥当」、耐性検査を了承と報道している。見出しだけを見れば安全委員会は再稼働にゴーサインを出したかのような印象をうける。

しかし安全委員会の見解の「まとめ」は、次のとおりである。
「今般の総合的安全評価は、保安院が東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえて事業者に指示した緊急安全対策等が、主に設計上の想定を超える外部事象に
対していかに原子炉施設の頑健性の強化に寄与したかを評価することを目的としており、一次評価により緊急安全対策等の一定の効果が示されたことは一つの重要なステップと考える。今後は、当委員会の意見を踏まえ、二次評価を速やかに実施するとともに、より一層の安全性向上に向けた継続的改善に努めることが肝要である。」(確認結果)

この「まとめ」を率直に読めば、安全委員会は一次評価を一つの重要なステップであると断定し、引き続き二次評価を速やかに実施するとともに、より一層の安全性向上にむけた継続的改善を求めたのである。

これを見出しにすれば
「安全委員会 一次評価は一つのステップ 速やかな二次評価実施を提起」
になるのではないか。

新聞各社が重要問題で独自の見解をもつのは問題ないと考える。しかし、事実を事実にそって報道しないなら報道とは言えない。今回の記事は一定の予断をもって事実をゆがめる報道である。報道各社の誠実な内部点検と反省をもとめる。

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