民主党政府は、大飯原発再稼働へ大きく一歩を踏み出しだした。しかし政府はなぜ再稼働が必要なのか、再稼働が安全なのか説明しきれていない。
そのなかで橋下徹大阪市長が、大飯原発再稼働反対の主張を展開しマスコミが大々的に報道している。大阪府市のエネルギー戦略会議は現時点での再稼働反対、可及的速やかに全ての原子力発電所廃止を打ち出している。
私は脱原発が福島事故を経験した日本国民の願いであり必ず実現したいと考えている。新自由主義・反民主主義の橋下維新とは政治的立場がまったく相容れないが、脱原発の一点で一致するなら、原発問題での橋下氏の動きを支持したいと考えている。
しかしもともと「脱原発依存」を主張していた橋下氏がなぜ、いつ可及的速やかな原発廃止=脱原発の立場に転換したのかの説明していない。饒舌な橋下氏がこの点については一切語っていない。
逆に4月15日付のツイッターで彼は「僕の電力供給体制の変革についての考え方もまとめている。明日明後日に原発を0にすることなど考えていない。短期・中長期に分けている。産業基盤に影響を与えないよう、中長期的にどのように変えて行くか。」と書いている。これは彼が言ってきた短期・中長期には原発を温存するという「脱原発依存」論ではないか。
エネルギー戦略会議も「原子力発電所が廃止されるまでの間においては、真に需要が供給を上回ることが確実となる場合においてのみ、必要最低限の能力、期間について原子力発電所の安定的稼働を検討する。」としている。つまり電力不足に備えて原発を維持し、電力が不足すれば、「絶対的安全性」が確保されなくても再稼働する。そのために原発をスタンバイしておくとしている。
橋下氏は「明日明後日に原発を0」にしないのならば、何時までに原発を0にするのかを明確にしなければならない。
橋下氏が原発再稼働反対を語る時、私はいつもみんなの党の渡辺氏が消費税増税反対を語る姿が重なって見える。渡辺氏は消費税を上げる前にすることがあるという。選挙を有利にするための、政局のための主張である。橋下氏も総選挙をにらんだ政治的パフォーマンスの匂いがする。
脱原発を進めるためには、再稼働停止するだけではなく、廃炉・使用済み核燃料の最終処理作業をすすめなければならない。この点での国民的討議・合意の形成が必要だ。全原発廃炉へ運動をすすめたい。橋下氏は維新の全廃炉タイムテーブルのついたロードマップを提示してほしい。
橋下氏はここで指摘した問題にこたえるべきである。今後の橋下氏の原発問題での言動に注意したい。
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