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2012年5月27日日曜日

片山さつき、世耕弘成両議員は河本準一に「情けなくて恥ずかしい気持ち」と言わせて満足だろう。しかし生活保護の必要な人が排除されるような状況はつくってはならない


河本準一の母親の生活保護受給問題が話題を呼んでいる。私はこの事例が生活保護の正当な利用を妨げることに使われることを危惧する。07年の北海道滝川市で起きた移送費騙し取り事件がきっかけで生活保護受給・移送費受給が困難になった事例が多発したことは記憶に新しい。


今回の事例は人気タレントである河本準一の母親が河本の無名時代に生活保護受給を始め、人気タレントになった以降も受給を続けてきた。これを週刊誌、自民党の片山さつき、世耕弘成両議員がブログでとりあげ社会的問題となり。5月25日河本の謝罪会見が行われ標記発言となった。


私は、自分に十分な収入があり、親が困窮しているのであれば、親に金銭を含めた扶助をするのは自然なことと思う。また法に親族からの扶養が優先するとされている以上、行政が適正な指導をするのは当然である。彼が扶養の必要を認めて遡って措置費を返還するのも歓迎する。


しかし報道によると河本は謝罪会見で次のように発言している。
 -母親が生活保護というのはどんな気持ち
 「正直なところを話すと、情けなくて恥ずかしい気持ちです。母親が生活保護を受けているということは、誰にも知られたくなかったですし、世間の方には分からないように明るく振る舞うことが自分の仕事だと思っていた。早く抜けさせなければ、という思いで仕事をしていた」と。


河本は生活保護を受給することが、本人やその家族に「誰にも知られたく」ない「情けなくて恥ずかしい」と言わされた。河本事例によって、生活保護を受給すれば本人や家族が今回のケースのように社会的バッシングを受ける危険を覚悟しなければならない雰囲気ができてしまった。


片山さつき議員はブログでこう書いている。
「生活保護の適正化」にも焦点が当たっており、「正直者が報われる社会」にしていく上で、「生活保護は、本当に困窮している方にはしっかり届き、頑張れば働ける、あるいは本来養ってくれるべき近い親等の親族がいる場合には支給しない。」が「大原則でしょう。そこまで払っていたら、消費税などいくらあっても足りない世界になりかねない」という批判が出てくるのは当然です


しかし「生活保護は、本当に困窮している方にはしっかり届」いているのであろうか。05年から07年北九州市で生活保護が受け付けられなかったり・廃止されたりで餓死者が連続したでたことを忘れてはならない。09年にも三重県津市でもそして北九州市でも生保がらみで餓死者が出ている。日本は生活保護が受けやすい国ではない。河本事例がさらに生活保護を受けにくくすることを危惧する。


また片山議員は「本来養ってくれるべき近い親等の親族がいる場合には支給しない」というが、だれをさして「本来養ってくれるべき近い親等の親族」と言うのかが問題である。数千万円の年収があればそう呼ぶのも納得できるが、一般的所得の子どもを安易にそうは決めつけられないのではないか。家族がいれば家族に扶養してもらえとなると、生活保護を希望して福祉事務所を訪れても窓口で生活保護の申請書すらもらえない事態が頻発すると思う。また十分な援助はできないが、生活保護申請は控えるようにと老親に言う子どもがでてくるだろう。


片山さつき、世耕弘成両議員は河本準一に「情けなくて恥ずかしい気持ち」と言わせて満足だろう。しかし、両議員は日本憲法25条を持つ国であることを忘れてはいけない。


第二五条【生存権、国の社会的使命】
1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


貧困で稼働能力のないことは本人や家族の責任ではない。今回の事例をきっかけに生活保護が必要な人やその家族が生活保護受給申請をためらう状況をつくってはならない。また親族の扶養優先を理由に生活保護申請を窓口で排除することを起こしてはならない。

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