美浜原発 |
もんじゅ入構証 |
福井には14基の原発がある。今新たに2基が準備中だ。福島の10基より多い。福井は世界有数の原発密集地だ。
福井で働く医師の話を聞いた。「自分は95年のもんじゅの事故以来原発反対の運動をしてきたが、今回の福島の原発事故を経験してつくづく自分は体制内の反対派だったと思った。自分も過酷事故は起こらないという原発安全神話にとらわれていたと思う。」この悔恨の思いが多くの人にある。それだからこそ今回の原発ゼロの運動はこれまでの運動と違う。続けて医師は言う。「自分は原発ゼロを目指すが、敦賀の人は身近に原発関係者がおりすぐ原発をなくせとはいえない状況だ。」雇用問題は無視できない。基地問題と同じだ。でもドイツでは脱原発で雇用を増やすと言っている。雇用政策が必要だ。
「敦賀原発PRセンター」「美浜原発PRセンター」を見学した。天気が悪いせいか見学者は少なかった。センターの女性の案内人に「最近、見学者は多いですか」と聞くと、「福島の事故以降多くなっています。お勉強に来る方が多いです。」と、原発反対派の見学が多くなっていることをほのめかした。私も「福島をくりかえすな 原発をなくそう」というバッチをつけての見学だ。案内人としてはやりにくいだろう。なにがしか表情が固いように見えた。館内の線量モニターが0.182μSV/hとなっているので、「室内にしては少し高いのではないですか」と聞いた。案内人は「そうですねこの辺は花崗岩が多いから。それに福島の影響もあるのでしょうか。」とさらりと言った。彼女たちは型どおりの原発PRをするが、原発の安全性についてどれだけの確信があるのだろうか。
福井原発群は14基中8基が1970年代竣工のものだ。展示の説明を見ると老朽化ではなく経年化だと説明している。部品を取り換えているので老朽化はせず年代物になっているというのである。いつまでも使い続けたいとの意図が見えている。コンクリート製の施設をワインかウイスキーのように言っている。ワインやウイスキーはどんな高価な年代物でも飲めばそれで終わりである。いつまでも使い続けたいとは驚きである。アンチエイジングに狂奔する有閑マダムの果たせない願いみたいだ。どんな詭弁を弄してもこれを正当化するのは無理である。
次にもんじゅの見学をした。エムシースクエア(PRセンター)の見学だけでなく発電所内に入れるということでセキュリティーチェックが厳しかった。1週間前に予約が必要で、当日は運転免許書かパスポートなどの顔写真のある身分証明証が必要だった。身分証明証の提示と引きかえにパスカードをくれた。もんじゅ構内に入るには、発電所側の車に乗り換え960mのもんじゅ築道を走り、もんじゅの正門につくと車に守衛が乗り込んでパスカードをチェックした。それからようやく構内にはいり、トンネルを抜けると再び門があり機動隊の装甲車が一台そして機動隊の詰所の建物があった。屋外には機動隊員の姿は見かけなかった。さすがにプルトニウムを扱う原発の警備体制は厳しい。説明では2001年9月11日のWTCテロ以降警備を強化したとのことである。でも何か形だけのような気がした。空港でおこなわれている、バックのチェックもなく金属探知器でのチェックもない。もし見学者の集団が武器を持って入場すれば発電所を占拠することは可能なような気がした。飛行機の突入やミサイル攻撃にどう対処するのかと聞いたが、「想定していない」との返事であった。核テロなどないと言う安全神話にとらわれてるようだ。核兵器の材料であるプルトニウムが多量にあるもんじゅはテロの格好の標的だ。もんじゅをなくすのが一番の安全対策だ。
電力会社は依然として福島原発事故以前と同じ宣伝をしている。福井の原発は福井で使う電気ではなく大阪で使う電気を発電している。それを大阪府民の私は毎日使って生活している。そうすることで原発事故の危険を日々福井の人々に押し付けている。
帰路、車の窓から原発を見た。水素爆発をして崩壊した福島原発の姿が重なって見えた。そうなる前に必ず原発をなくしたい。そう思った。
帰路、車の窓から原発を見た。水素爆発をして崩壊した福島原発の姿が重なって見えた。そうなる前に必ず原発をなくしたい。そう思った。
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