日本と韓国がベスト16で敗退し、アジアの代表がワールドカップから姿を消しました。しかし予選リーグを勝ち抜いた両国の活躍は賞賛に値します。両国のサッカーがこれからも発展し、いつか決勝戦で両国が対戦する日が来ることを楽しみにしています。
李韓国大統領は「韓国は今日、ウルグアイに負け、準々決勝進出を果たせなかったが、日本は、アジア代表として果たしてほしい」と語りました。(2010年6月27日 読売新聞)アジアのメデイアは「W杯、『アジア代表』の健闘称賛 日本惜敗で各国」(2010/06/30 共同通信)「韓国では29日の試合を「120分間の血戦」(聯合ニュース)と報道。KBSテレビは、何度も相手ゴールを狙った攻撃力を評価した。」(2010/06/30 共同通信)と報道されています。サッカーを通じて日本と韓国のみならずアジアの相互理解と連帯がすすんだことは嬉しいことです。
しかし「ソウル市内の飲食店ではテレビでパラグアイを応援する人の姿が目立ち、PKでパラグアイが勝利を決めると、若者たちからは歓声が上がった。」(2010/06/30 12:02 共同通信)との報道もあります。どの国を応援するかは個人の自由です。日本でも韓国が敗退した時に歓声を上げた人がいたと思います。2006年のWBCの時に「戦った相手(韓国)が『向こう30年は日本に手が出せないな』と、そんな感じで勝ちたい」と高名なプロ野球選手が発言したことを記憶しています。歴史的経過に対する無知とその発言が隣国の人々にどんなふうに受け取られるかにかについての想像力の欠如が生んだ発言です。偏狭な意識が両国民の中に残っているのは事実です。しかし両国の国民の中にはお互いを尊敬し合い力をあわせてアジアの中で生きていこうと考える人が多くいることもまぎれのない事実です。一つの事実だけ取り上げてそれが全てであるような言い方は慎まなければなりません。
日本国憲法前文は「日本国民は、(中略)平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と明記しています。偏狭な嫌韓流も「嫌日流」も克服していかなければなりません。そのためには正しい歴史認識と草の根レベルの市民の交流を通じて信頼感を醸成することが必要です。サッカーがその一助になればいいと期待しています。
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