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2010年12月23日木曜日

京都耳塚を世界文化遺産に



豊臣秀吉には大阪人は思い入れが大きい。家康は嫌いだが、秀吉は好きだ。巨人は嫌いだが、阪神は好きだ。単なる大阪の東京に対する対抗意識も一因だろう。しかし低い身分から出世して天下をとったということに庶民の憧れが集まるのだろう。大阪人にとっては子供の時からたびたび行った大阪城大阪城をつくった太閤秀吉さんなのだ。子供の頃は私もその大阪人の一人であった。

しかし隣の韓国ではまったく違う。秀吉は嫌いな日本人の代表格である。16世紀末秀吉は朝鮮侵略を行なった。日本での天下統一を果たしたのち清国に攻め入る手始めに朝鮮を侵略したのである。これは秀吉だけの考えではなく信長も同じ構想を持っていた。その秀吉の朝鮮侵略は朝鮮の人々に塗炭の苦しみをあたえた。日本の侵略で、何十万という人が殺され、歴史的建造物が焼き払われた。多くの人が強制的に日本に連れ去られ、その人達が伊万里焼き、薩摩焼きなどの陶磁器誰がつくり始めた。そして戦争の残酷さの象徴として京都にある耳塚には戦功の証として十万を超える切り取られた朝鮮人の耳が埋められている。

日本人は知らなすぎる。学校で秀吉の朝鮮侵略はどう教えられたのか。繰り返し上演・上映される秀吉の一代記で朝鮮侵略は如何に表現されたのか。自分の記憶をたどってもはっきりしない。自分はどう理解していたのか。教科書には朝鮮出兵とあったと思う。兵を朝鮮に出したということだけで、侵略である事実や、どれほどの殺戮と破壊がおこなわれたかについての教えられた記憶はない。だから庶民と大阪の代表である豊臣秀吉が好きだったのである。知らないということは恐ろしいことである。

先日、「月下の侵略者 文禄・慶長と耳塚」という映画を見た。その映画の一シーンに耳塚の周囲に一般民家が密集して立っているシーンがあった。周辺住民をうんぬんする意図は全くないが、日本人の歴史認識の様を象徴している印象をうけた。そこに何が埋められているのか、ほとんど知らず意識もしないように見えた。事実は知らなければならない、事実は教え続けられなければならない。歴史的事実を知らなければまた同じ間違いをする。被害を受けた近隣諸国の民衆から信頼されない。

映画の中では韓国の人が耳塚は韓国に移設したいと発言されるシーンがあった。私は、何らかの方法でその希望に応える必要があると思うが、耳塚を含めその周辺を文化公園として整備し、日本の加害の歴史を学ぶ場所にする必要があると考える。戦争被害の象徴である広島・長崎とともに平和主義を貫くことを決意した日本の原点にしたい。広島の原爆ドームはすでに世界歴史遺産に登録されている。耳塚が歴史遺産になること希望する。
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