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2012年1月15日日曜日

橋下徹大阪市長による過剰診療対策を口実にした、生活保護受給者の受診抑制はあってはならない


113日づけの読売新聞によると
「橋下市長、過剰診療対策で受診機関を認証へ
 大阪市の橋下徹市長が、過剰診療などの不正請求対策として、受給者が診療できる医療機関を、市が独自に認証する制度を検討していることがわかった。
 不正請求を繰り返す悪質な医療機関を排除するのが狙い。過剰診療が疑われる場合は、別の医療機関で診療させる『検診命令』を発令し、従わない場合は保護停止も辞さない構えだ。」
 
「過剰診療」をおこない、不正請求をくりかえす医療機関を規制するのは当然である。現在の日本では保険医療機関であれば国民誰もが必要に応じて受診できる権利が制度上保障されている。(現実は一部負担が高額になり受診手控えがおこっている)しかるに市が独自に生活保護の診療ができる医療機関を認証し生活保護受給者の受診できる医療機関を限定することは、生活保護受給者を一般国民から差別し医療を受ける権利を侵害することになる。さらに生活保護受給者の医療水準を低く抑えることになれば憲法違反である。

生活保護受給者が200万人を超え、保護費が3兆円以上になっている現実への対処が必要である。なぜそうなっているかかの分析と基本的人権を保障する立場での対策が必要だ。高齢化に伴い年金額がきわめて低い方が増加しているとともに稼働年齢の層の失業者が増加していることが保護受給者を増やしている。対策としては最低年金額をあげることと雇用創出し促進することである。

また「所得が生活保護支給基準以下となるケースの内、実際に受給している割合を示す「捕捉率」は、イギリスでは87%、ドイツは8590%なのに対し、日本は約1020%となっている」(Wikipedia :生活保護)事実を見逃してはならない。生活保護に該当する人が受給できていないのが実態である。

「生活保護受給者が約15万人(昨年12月)と全国最多の大阪市では、2010年度の医療扶助費が、生活保護費全体の約45%にあたる約1292億円に上り、財政を圧迫している」(読売新聞1月13日)これは低所得者の加入が多い国民健康保険が生活保護者を排除していることが最大の原因である。医療保険制度の欠陥を、生活保護制度が尻拭いしている。

読売新聞は「生活保護受給者の「頻繁通院」 全国で1万8217人…厚労省調査」(12月31日読売)と報道した。元になったデータを見たくて読売に問い合わせしたが、直接厚労省に聞けと言うことで厚労省にメールでデータをお願いしたが現在のところ返事がない。「頻繁通院」イコール過剰診療なのか詳細な検討が必要である。 

悪質な医療機関が過剰な診療をしている可能性を否定はしない。それは医療扶助だけの問題ではなく、保険医療全般の問題である。現行の監査制度で取り締まり必要なら保険医療機関の指定を取り消せばいい。しかし生活保護だけに限って問題にするのはいささかお門違いである。

橋下徹市長が誰の味方なのかだんだんはっきりしてきた。公務員・教師の次は生活保護受給者そして高齢者が攻撃のターゲットなのだ。そのつぎは障害者・ワーキングプアが、努力が足りない自己責任をとれと切り捨てられることになるだろう。

99%の連帯が必要である。近い将来、occupy Nakanoshima!を実現しよう。

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