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2009年11月5日木曜日

新型インフルエンザワクチン接種開始にあたり医療機関は困惑している

1114日から接種が開始される。
自治体のホームページで実施医療機関の名前が公表されて以降私の勤務するクリニックにも問い合わせの電話が殺到している。
市民の中にある種のパニックが起こりつつある。

日常の診療に加えて来院するインフルエンザ患者の診療、季節性インフルエンザワクチンの接種でてんやわんやである上の新型インフルエンザワクチン接種である。
医療機関はすでに疲労困憊している。
しかしワクチン接種は国民的課題であるので、なんとか対応したいと決意を固めている。

新型インフルエンザワクチン接種に際して次のような点で困惑している。

まずワクチンがどんなテンポでそのような数供給されるかが今もってわからない点である。
1019日から医療従事者の接種が始まったことになっているが、供給が少なくほとんど接種できていない状況である。
供給量がわからなければ接種の予約の取りようがない。
当院でも予約をまだ取っていない。

次に優先接種対象から接種するとなっているが、その優先接種対象者を選びだす作業が非常に大変である。
優先接種対象者の基準が細かく決められている。
また優先対象者も最優先とその他の二群に分けるべしとのことでなおさら大変である。
しかしその基準を患者さんが知るはずもなく医療機関が選別し患者さんに知らせられなければならない。
現在の外来終了は長い場合は2カ月から3カ月に一回のペースで行われていることが多い。
患者さんに連絡をとるのも労力がいる。
その上でワクチン接種の予約をとることになる。

さらにワクチン接種は通常の診療+インフルエンザ患者診療と別に時間を割いて行う必要がある。
とくにワクチンは2回接種との方針がとられておりワクチン接種をやりきるためには大変な労力と時間が必要になる。
医療現場が崩壊することを危惧する。

医療機関の負担を軽減する方策を立案されることを希望する。
ワクチン供給の計画を早く明示する。
接種対象者をあまり細かくわけない。
接種場所を医療機関に限定せず、保健所・学校・職場での集団接種、献血のように繁華街でもするなどの工夫が望まれる。

新型インフルエンザ対策は国民的課題である。
各自がもてる能力を発揮して力を合わせて乗り切りたい。

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