12月9日、阪神対ガース赤星憲弘選手が引退を発表した。9月12日の横浜戦の守りで横跳びした際に、身体をグランドに打ちつけ中心性脊髄損傷を負ったためである。医師からは「今度やったら最悪の場合、命にかかわる」と言われたとのことである。引退の決断は妥当なものだと考える。引退後はこれまでの実績に負けない第二の人生を切り開いていかれると確信する。ご苦労様でした。
中心性脊髄損傷とは、変形性脊椎症や脊柱管狭窄症が基礎にある方が外傷により脊髄に急激な圧迫が加わり脊髄の中心部をやしなう脊髄中心動脈の血流が一時的に遮断され脊髄の中心部が壊死した病態をいいます。脊髄中心部には上肢にいく運動神経が集まっているので、下肢より上肢につよい運動麻痺・痛み・ビリビリするような両手や手の痺れ等が出ます。
詳細はわかりませんが、赤星選手は脊椎管狭窄症をもっており比較的軽い外傷で脊髄損傷を起こしやすい状態にあり今後強い外傷を受ければ横断性脊髄損傷を起こし四肢麻痺や呼吸停止になる可能性があると診断されたのであろう。プロ野球選手を引退するのは妥当な判断と考える。
私が気になるのは、阪神タイガースが引退に当たり赤星選手をどう処遇するのかという点である。
報道によると阪神球団の依頼により「07年には万が一の場合にも球団の責任は問わないと両親が一筆書いた」(12月10日朝日新聞)とのことである。今回の引退会見に先立っても、現役続行を希望する本人に対し球団側から、「引退した方がいいんじゃないか」と言ったそうである。(赤星憲弘HPhttp://www.redstar53.com/)球団としては赤星選手の怪我には責任をとりたくないと一貫した意思が表明されている。
しかし、阪神球団は09年まで赤星選手と契約し彼の全力を投入したプレーを期待した。そして9月12日の公式戦で脊髄損傷を起こす事故は起こっている。明らかに公傷である。この事実は消し難い。
「責任は問わない」という念書があれば、公の業務で負傷をしたものを「引退した方がいいんじゃないか」と言って契約打ち切りができるのか。このような念書が有効なのか。阪神球団が引退に当たり赤星選手にどのような対応をするのか注目している。誠意ある対応を期待する。
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