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2011年7月29日金曜日

アナログ放送終了から6日 町には“砂嵐”が吹きすさんでいる

729日午後、訪問診療だ。今日も暑い。今日は11軒を訪問したが。4時間半かかった。調子の悪い人が多く、検査や点滴・処置に時間がかかった。
そのうち2軒が独居の方であったが、2軒とも地デジ対応ができていなかった。今日だけに限れば、地デジ未対応率18%だ。

画面の砂嵐 右の小さなボックスがチューナー
小林さん。男性。85歳。難聴があるため、いつもは家の外まで聞こえる程の大音量でテレビをつけている。ところが今日はテレビの音が聞こえない。何か変わったことでもあったのかと思いあわてて家の中に入った。部屋のなかで転寝をしていた。私にきづいて起きだした。テレビはどうしたのと聞くと、「やかましいから見ない」と言う。テレビの横を見ると地デジチューナーが設置されていた。昨日、電気屋が来てチューナーをつけてくれたがうまくいかないとのことである。テレビのスイッチを入れると画面には“砂嵐”が舞っていた。25日に訪問した足立さんもチューナーは手に入ったが自分では設置できないと投げ出していた。

画面の砂嵐
安井さん。女性。81歳。訪問するといつもはテレビなのに今日はラジオをかけていた。まだチューナーの準備もできていない。テレビはどうするのと聞くと、「テレビはいいんです。もともとスポーツしか見ていなかったから」と言う。チューナーを設置する予定もないようだ。

地デジ難民は確かにいる。国の政策のため、先日まで見ることのできた私有財産のテレビを無用の長物にされた人がいる。「もういいんです」と言われるが。酷な話である。地デジ移行強行は憲法に定められた文化的生活を営む権利や財産権の侵害である。

25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
29条 財産権は、これを侵してはならない。

難民を出さないためにもう少し丁寧な対策をうつことができたと思う。町の角々には地デジ移行ができないテレビの砂嵐が吹きすさんでいる。早急に実態を把握し対策をうつことを切望する。

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