7月24日の昼、テレビからバラエティー番組が流れていた。タレントたちは突然カウントダウンを始めた。この季節に何のカウントダウンなのかわからない。
「サン、ニ、イチ、ゼロ」テレビの中では大歓声が起こった。そのとき突然、テレビの画面が「アナログ放送は終了しました」、との文字に変わった。
「本当に、テレビが見られなくなった。」と、つぶやいた。誰も聞く者はいない。「まあ、いいや。どうせそのうち死ぬのだから。」
タレントたちは、テレビのこちら側にどんな世界があるのか知らないにちがいない。だから大騒ぎできるのだ。
ふと金子みすずの「大漁」という詩があたまにうかんだ。
「大漁」
朝焼け小焼けだ大漁だ
オオバいわしの大漁だ
浜は祭りのようだけど
海の中では何万の
いわしの弔いするだろう
関係者の中に、テレビのこちら側の世界に気づいている人はいるのだろうか。NHK「クローズアップ現代」はこの問題を取り上げてくれるのか。
でも放送されても、私は見ることができない。
でも放送されても、私は見ることができない。
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