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2009年10月17日土曜日

33年間勤めてきたきた私の病院が今日から診療所になりました

 33年間勤めてきたきた私の病院が今日から診療所になりました。
1962年から病院として地域医療をしてきた病院が、医師不足と経営困難のためベッドを返上し無床診療所に転換しました。

医療崩壊と世間で話題になっていますが、それが私のところでも現実になったのです。
この3年間で5名の医師が退職し、加えて1名は同一法人の総合病院に異動になっています。
残ったのは常勤2名と嘱託1名です。
まさに医師体制の瓦解による病院崩壊です。
退職理由は様々ですが、勤務が過密でもっと余裕のある生活がしたい、開業して自分で医療をやってみたいというところです。
世間の医師の退職理由とほとんど変わりません。

虎の門病院の小松秀樹医師のいう立ち去り型サボタージュです。
それは医療現場での過酷な労働条件と過大な責任、患者からのクレームによって労働意欲を失った医師や看護師が医療機関を離れることを指しています。
これまで労働基準法以下の過酷な環境にあってもそれに医師としての使命感から我慢し耐え忍んできたが、もう我慢ができないと退職しています。
小松は最近の医療従事者の退職には日本の医療の現状ににたいする抗議の意味が含まれていると指摘しているのです。
閉塞状況に勤務医を追い込んだことが、医療を崩壊させているのです。

昨日、診療所として再出発する集いを院内で開催しました。
職員のみならず、患者さん地域住民、そしてOBが参加してくれました。
異口同音に言われたのは、悔しいが引き続き頑張ろうとの言葉でした。
医療現場をこんな状況に陥れた政府の医療政策の転換を涙をながしながら訴えられた方もいました。

私は引き続き現場に残り勤務医としてやっていきます。
私とて過密勤務と無縁ではありません。いつまでやれるのかと聞かれれば、「まだやれると思う」としか言いようがありません。
しかし現状を耐え忍ぶのではなく、地域の患者さん住民の皆さんの期待に応え続けることの喜びをしっかり味わいながら、息が切れない程度に頑張っていきたいと思っています。
そして医療従事者を現場から退去させる現行の医療政策を転換する運動ほどやりがいのあるものはありません。
今転換しなければ日本の医療は崩壊します。
必ず主権者である日本国民は医療再生の道を選ぶと確信します。
その運動を楽しんで取り組みたいと思います。

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