10年5月より改憲原案の提出・審議が解禁になる。今回の衆議院選挙で選ばれる新議員は憲法改正にかかわる可能性がある。
日本国憲法第96条は憲法改正にについて、「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。」
社会保障政策だけでなく新国会が憲法問題でどのような議員構成になるか注意してみておく必要がある。
少なく見ても改憲に反対する国民は50%前後いる。
各論の政策に幻惑されてむざむざ改憲賛成の議員に3分2以上の議席を占めさせてはならない。
2007年8月7日づけ『朝日新聞』は「参院「改憲派」、3分の2を割る」と報道している。
「7日召集の臨時国会に登院する参院選の当選者のうち憲法改正に賛成なのは48%と半数を割っていることが、朝日新聞社と東京大学の共同調査で明らかになった。非改選を合わせた新勢力でも53%。政治家の意識を調べるこうした共同調査は03年の衆院選以降、国政選挙のたびに実施してきたが、改憲賛成派が憲法改正の発議に必要な3分の2を割り込んだのは初めて。」
「今回の当選者では、憲法を「改正すべきだ」と「どちらかと言えば改正すべきだ」を合わせた改憲賛成派は48%。「改正すべきではない」「どちらかと言えば改正すべきではない」の改憲反対派は31%だった。」
「政党別では改憲賛成派は自民(91%)、公明(67%)、国民新(100%)の3党で多数を占めた。これに対し、民主では改憲賛成派の29%を改憲反対派の41%が上回った。共産、社民、1人当選の新党日本の各党では全員が「改正すべきではない」と回答した。」
その要因は改憲賛成派が9割前後だった自民の大敗が影響したこと。
そして民主はこれまでの調査では衆参を問わず6、7割の議員が改憲賛成派だったが、今回の参議院選挙で改憲賛成派が初めて4割を割ったことを挙げている。
弱者切り捨ての政治を転換するために政権交代が必要なことはあきらかだ。
しかし政権を担うと予想される民主党の憲法に対する政策に注意する必要がある。
4年前の05年衆議院選挙のマニフェストでは民主党は、憲法問題をトップに掲げ、改憲を推進する・そのための国民合意をとる・国会議員の3分2以上の合意を達成するとしていた。
しかし07年参議院選挙・今回の衆議院選挙ではマニフェストの最後に憲法問題に言及している。
「民主党は2005年秋にまとめた「憲法提言」をもとに、今後も国民の皆さんと自由闊達な憲法論議を各地で行い、国民の多くの皆さんが改正を求め、しかも国会内の広範かつ円満な合意形成ができる事項があるかどうか、慎重かつ積極的に検討していきます。」
憲法改正へ積極的に国民合意をとる立場からトーンダウンし、国民の意見の動向を窺うという政党としては奇妙な立場を表明している。
政策が変わることは必ずしも悪いことではない。
しかしどういう理由で変えたのかを民主党は明らかにする必要がある。
先の朝日の調査でも明らかなように民主党には顕在・潜在の改憲推進派が多数いる。
見落としてはならないないのは鳩山由紀夫氏は改憲を目的とする超党派の議員連盟、新憲法制定議員同盟の顧問であり、前原誠司氏は副会長である事実である。
鳩山氏は新首相に就任された場合、今回のマニフェストに鑑み新憲法制定議員同盟を脱退される意思はあるか、そして任期中は憲法改正の発議をしないことを明らかにしてほしい。
護憲の立場に立つ皆さん
我々は国民の約半数を占めている。
07年参議院選挙に引き続き衆議院でも改憲派を3分の2以下を実現しよう。
政権交代を期待しても改憲推進派の候補には一票も投じてはならない。
議席を与えてはならない。
政策が揺れている民主党を一人勝ちさせるのではなく、護憲の立場が明確な共産党・社民党の議席を増やそう。
これがこの選挙の大きなテーマである。
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