日本泌尿器科学会は、50歳以上の男性にPSA健診を推奨しています。
以下06年に泌尿器科学会が発表した前立腺癌健診ガイドラインの要点を紹介します。
前立腺は男性にだけあり、精液の一部をつくる臓器です。
前立腺は、恥骨の裏側に位置し、膀胱に隣接しています。この前立腺にがんが発生する病気が前立腺がんです。
現在、日本で発見される前立腺がんの約30%は主に骨へ転位した状態で発見されます。
現在将来前立腺がんにかかる人の数は男性がんの6番目ですが、今後増加し、2020年には、肺がんや大腸がんとならんで最も頻度の高い男性がんになると予想されています。
前立腺がんは血液でPSAという物質をはかると発見されます。
健診をおこない転移した進行がんになるまえに早期に発見し治療につなげたいと考えています。
アメリカでは、50歳以上の男性の75%は少なくとも1回はPSA健診を受診し、1992年以降、前立腺がんの死亡率は低下し続けています。
オーストリアの研究でも、検針対象住民の86%が少なくとも一回は検診を受診した結果、天胃がんの罹患率は70%も低下し、2005年の前立腺がんの死亡率は予測値と比較して54%も低下しました。
以上二つの国のPSA検診の結果は、PSA検診と、それに続く適切な治療が前立腺がんによる死亡率を下げる確かな効果があることを示しています。
日本泌尿器科学会は50歳以上、家族に前立腺がんの患者がいる人は40歳あるいは45歳からの検診受診を勧めています。
1000人の方が検診を受診すると14.8人の方にがんが見つかります。
その方を適切な治療につないでいくことができます。
対象に該当する方はぜひ検診を受診されることをお勧めします。
以下は私の意見です。
現在の日本では前立腺がんの公的な検診制度はありません。
検診を希望すれば、それぞれの費用の自己負担のもとで行われます。
前立腺がんは血液検査で簡単に見つけることができるという知識を広めて多くの人が検診を受けるようにしていきましょう。
しかし、それだけでは検診が普及することは難しいです。
がんを早期に発見すれば命も救えます。
また、がんの治療にかかる医療費も少なくて済みます。
この検診が該当するすべての人が受けられるように、公的検診として制度化かれ特定健診などと一緒に行なうことができるようにすることを、国と自治体に要望します。
0 件のコメント:
コメントを投稿