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2009年10月17日土曜日

「派遣村」は救済援護運動における長篠の戦いです

 年末年始、「年越し派遣村」に注目が集まりました。
多くの人が失業と貧困の問題を何とかしなくては考えるようになっています。
そして「派遣村」の取り組みは川崎、福岡、岩手、佐賀など全国に広がっています。

その運動は無策な国の動きを待つことなく、地域の草の根の連帯で困っている人を救済しようとする運動です。
阪神大震災以降続くボランティア精神にもとずく助け合いの運動を引き継ぐものです。

さらに派遣村の運動は、救援活動だけではなくこの国のセーフティネットのありようを問うものになっています。
今回の運動が生活保護の運用を大きく変えることになりました。
これまで生活保護を受けるためには住所がないとダメとされていました。
住所のない生活困窮者は申請を拒絶されてきました。
今回の「年越し派遣村」集まり生活保護受給を申請した250人を超える全員の受給が認めさせることができました。

日本国憲法25条は「第一項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。第二項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と明記しています。
会社の都合で突然解雇され、収入と住宅を失い路頭に迷うことを放置することを憲法は認めていません。
国には国民の健康で文化的な生活を保障する義務があるのです。
憲法に違反する事態があれば国民が国に要求する必要があるのです。
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」(憲法12条)

「派遣村」の運動は、憲法に照らして今の社会のありようが放置されていいものかどうか考えるきっかけになっています。
憲法をくらしに活かす。憲法を運動の根拠にする。
そのことが始まっているのです。

1543年種子島に伝来した鉄砲は、1575年織田信長が長篠の戦いで多量に組織的に使用したことによって戦国の戦いの流れが変わりました。
1947年施行された日本国憲法は2009年国民の生活を守る根拠として活用され始めています。
憲法を知りそれを活用しようとする運動が大きくなっているのです。
憲法がこの国のありようを変える力になりつつあるのです。

基本的人権である生存権が保障される社会を実現するために運動を進めましょう。

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