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2009年10月17日土曜日

感染症学会のタミフル積極使用方針について

感染症学会から「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」第2版と「新型インフルエンザ 診療ガイドライン (第1版)」が発表された。
インフルエンザを疑った場合にタミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬を積極的に投与するべきと明言している。
臨床現場ではいくつかの疑問・不安を持ちながら「診療ガイドライン」にそって診療をはじめている。

提言は「2009年8月21日にWHOから新型インフルエンザの治療ガイドライン10)が発表されました。
そこには、軽症の若年者や健常成人ではオセルタミビル(製品名:タミフル)やザナミビル(同:リレンザ)等の抗インフルエンザ薬の投与は必ずしも必要ではない、と記載されています。先述の「弱毒」見解と相俟ってわが国でも「抗インフルエンザ薬の投与は必ずしも必要ではない」とする意見が散見されます。しかし、これは危険です。」と断言している。
本当にそうなのかとの疑問がある。

本ガイドラインが他の種々ある診療ガイドラインと異なり複数の臨床研究総括から科学的根拠をもって作成されたものではない。今進行しているアウトブレイクの最中のガイドラインだから仕方がないと考えるが、他のガイドライン以上に科学的根拠を積み重ね検証していく必要がある。

一般論では「診療ガイドライン」は医師の個々の診療を拘束するものではない。
しかし患者にガイドラインの内容を十分に説明したうえでガイドラインに準拠するのか否かの診療方針を患者に提示する義務がそれぞれの主治医にある。

ほとんどの日本の医師はガイドラインにそって抗インフルエンザ薬を積極的に使用することになる。
感冒でも念のためにと投与する乱用や、従前から問題になっている異常行動などの副作用も警戒していく必要がある。

臨床現場では抗インフルエンザ薬がたちまち払底することになる。
政府は公的備蓄放出の方針を直ちに明らかにしてほしい。
備蓄の少ない外国に対する援助も実行してほしい。

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